ポスト平成の視座: 「自由」が「不自由」へと反転する時
2021-07-04 09:58
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4104
近代の成り立ちと課題を「自由」という理念から紐解く、未発表の近代社会論です。「文商」用の書き下ろしですが、これまでの記事よりも難解です。社会学に興味がある方は、是非ご一読を😊
近代の成り立ちー3つの理念
歴史の枝葉末節を断ち、その成り立ちの本質にのみ着目するならば、近代は、自由・平等・友愛の3つの理念を掲げた最初の市民革命であるフランス革命に始まる。政治的には自由の理念は自由主義(リベラリズム)に引き継がれた。平等は社会主義(ソーシャリズム)に、友愛は国家主義(ナショナリズム)に。経済的には、自由は資本主義に、平等は共産主義に、友愛は保護主義に。
〈理念〉〈政治〉 〈経済〉
自由―自由主義―資本主義
平等―社会主義―共産主義
友愛―国家主義―保護主義
近代社会とは、市場経済のグローバル化が進むも国民国家体制は維持され続けており、その内部では概ね平等な権利が個人に与えられている、という社会だ。
近代の成り立ちー地政学的対立軸
しかし3つの理念を統一、あるいは鼎立させるということがやはり極めて難しいという事は、2度の世界大戦を含むこの100年の人類の歴史を振り返れば明白だ。3つの理念が相剋し20世紀末に生じた下記の地政学的対立軸はポスト平成の視座を得る上でも無視できない。
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